ホテルの設備管理費を下げたいなら、まず「業者の数」を数えてみる

ホテルを経営していると、毎月さまざまな設備関連の費用が発生します。

「設備管理費をもう少し抑えたい」

「修繕費が増えてきた」

「複数の業者から請求書が届くけれど、全体でいくらかかっているのか分からない」

そんな悩みをお持ちのホテルは少なくありません。

設備管理費を見直すとき、まず確認していただきたいのが、

「現在、このホテルには何社の設備業者が入っているのか?」ということです。

業者の数が多いからといって、それだけで無駄とは限りません。

しかし、業者が増えるほど、ホテル側の管理業務も増えていきます。

今回は、ホテルの設備管理費を考えるときに見落とされやすい、**「業者を管理するコスト」**について解説します。


ホテルには、想像以上に多くの業者が入っています


ホテルでは、設備ごとに専門業者が分かれていることが一般的です。

例えば、

  • 消防設備
  • 空調設備
  • 給排水設備
  • 受水槽
  • フロン
  • 電気設備
  • 温泉設備
  • ボイラー・給湯設備
  • 建物関係の点検
  • 各種清掃・メンテナンス

など、さまざまな業者が関わります。

ホテルの規模によっては、年間を通してかなりの数の業者とやり取りすることになります。

もちろん、それぞれに専門性が必要な場合もあります。

問題は、「何社いるか」ではなく、「何社いる状態を、ホテル側で管理できているか」ということです。


業者が増えると、「見えない管理コスト」が増えていく


例えば、8社の設備業者と契約しているホテルがあるとします。

ホテル側では、それぞれの業者について、

  • 点検日の調整
  • 担当者との連絡
  • 現場立会い
  • 点検結果の確認
  • 報告書の保管
  • 修繕見積の確認
  • 修繕日の調整
  • 請求書の確認
  • 次回点検日の管理

などの業務が発生します。

業者1社ごとの費用だけを見れば、大きな問題に見えないかもしれません。

しかし、業者が増えるほど、「業者とやり取りするためのホテル側の仕事」も増えていきます。

支配人や本社管理部の担当者が本来やるべき業務に加えて、設備業者との調整や報告書の確認に時間を取られてしまうことがあります。

これが、設備管理における見えにくいコストです。


「設備管理費」は請求書だけで判断しない


設備管理費を見直すとき、

「この業者は高い」

「この会社の契約金額を下げてもらおう」

と考えてしまいがちです。

しかし、最初に確認したいのは、個々の金額だけではありません。

まずは、現在の業者を一覧にしてみます。

例えば、

分野業者年間費用主な業務
消防設備A社30万円点検・報告
空調設備B社24万円保守・修理
受水槽C社15万円清掃・点検
フロンD社8万円点検
温泉設備E社20万円点検・清掃
電気設備F社18万円保守・点検

このように並べてみるだけでも、

「意外と多くの業者が関わっている」

ことに気づくかもしれません。

そして、ここからもう一歩進めて確認します。


その業務、本当に別々の管理が必要ですか?


すべてを一つの会社にまとめられるとは限りません。

専門性が必要な業務や、特定の資格・技術を必要とする業務など、分けておくべき仕事もあります。

だからこそ重要なのは、

「全部まとめる」ことではなく、「何をまとめられるか」を整理すること

です。

例えば、

  • 点検そのもの
  • 日常的な設備確認
  • 簡単なメンテナンス
  • 点検報告書の整理
  • 修繕業者との連絡
  • 修繕スケジュールの管理
  • 各設備の次回点検日の管理

などは、それぞれを完全に別管理する必要があるのか、一度考えてみる価値があります。


「重複している仕事」がないか確認する


設備管理費を見直すときに、もう一つ確認したいのが業務の重複です。

例えば、

ある業者が設備の巡回確認を行い、

別の業者も別契約で同じ設備について確認している。

あるいは、

点検業者から修繕の指摘が上がる

ホテル担当者が別の業者に連絡

別業者が現地確認

見積作成

ホテル側が日程調整

という流れになっている。

この場合、修繕そのものの費用とは別に、ホテル側の調整作業にも時間がかかっています。


「業者を減らす」ことが目的ではありません


ここは誤解してはいけないポイントです。

業者の数を減らせば、必ず設備管理費が下がるわけではありません。

無理に業者を一本化すると、かえって専門性が失われたり、対応品質に影響したりする可能性もあります。

重要なのは、必要な専門業務には、きちんとお金をかける。

その一方で、

重複している業務や、ホテル側の管理負担が大きくなっている部分を整理する。

という考え方です。

つまり、目指すのは単純な「業者削減」ではありません。

「ホテルにとって必要な設備管理を、無駄なく、分かりやすく管理する」

これが設備管理コストを見直す基本的な考え方です。


ホテルの設備管理は「誰が全体を見るか」が重要


個々の設備業者は、それぞれ担当する設備の専門家です。

しかし、

「ホテル全体の設備管理を誰が見るのか」

という問題は別です。

消防設備業者は消防設備の管理をします。

空調業者は空調設備を見ます。

受水槽の業者は受水槽を見ます。

では、

ホテル全体の設備管理を横断して見る人はいるでしょうか?

ここが、支配人や本社管理部にとって重要なポイントになります。


弊社が考える「ホテル側の設備管理」


若松建物管理では、設備管理を「業者に点検を依頼すること」だけとは考えていません。

ホテル側に立って、

点検
→ 報告
→ 指摘事項の整理
→ 修繕判断
→ 業者調整
→ 修繕
→ 完了確認
→ 次回点検管理

までを一つの流れとして考えます。

つまり、

「設備を点検する会社」だけではなく、
「設備管理全体を整理する会社」

という考え方です。

必要に応じて各専門業者と連携しながら、ホテル側の負担を減らし、設備管理の状況を分かりやすく整理します。


複数のホテルを運営している会社では、さらに重要です


ホテルが1施設だけなら、支配人がある程度把握できる場合もあります。

しかし、3施設、5施設、10施設と増えてくると、本社管理部では管理項目が一気に増えます。

ホテルごとに、

  • 業者が違う
  • 契約内容が違う
  • 点検時期が違う
  • 報告書の形式が違う
  • 修繕履歴が違う

という状況になるからです。

そこで必要になるのが、

「各ホテルの設備情報を横断して管理する仕組み」

です。

「どのホテルで、何の点検がいつ行われ、どんな指摘があり、その後どうなったのか」

これが一覧で把握できれば、本社管理部の負担も大きく変わります。


まずは「今、何社入っているか」を数えてみてください


設備管理費を見直したいホテルは、まず次の項目を整理してみてください。

① 現在、設備関係で何社と契約しているか

② 各社に年間いくら支払っているか

③ どんな業務を依頼しているか

④ 点検結果の管理を誰が行っているか

⑤ 修繕の指摘事項を誰が追いかけているか

⑥ 次回点検日を誰が管理しているか

これを一覧にするだけでも、今まで見えていなかった問題が見つかることがあります。


設備管理費を「安くする」のではなく、「整理する」


設備管理は、単純に一番安い業者を探せばいいというものではありません。

ホテルに必要な安全・衛生・設備管理を維持しながら、

「どこに、いくらかけているのか」

を把握し、

「本当にホテル側でやるべき管理は何なのか」

を整理する。

その結果として、必要以上の管理コストや、重複している業務を見直せる可能性があります。


ホテルの設備管理を、一度まとめて整理してみませんか?


「設備業者にはそれぞれ依頼しているけれど、ホテル全体の設備管理状況までは把握できていない」

「本社管理部で複数ホテルの点検状況を管理するのが大変」

「設備管理費が高いような気がするが、どこから見直せばいいか分からない」

このような場合には、まず現在の設備管理状況を整理してみることをおすすめします。

若松建物管理では、ホテル・旅館の設備管理について、点検・報告・修繕・業者対応などをホテル側の視点から整理し、必要に応じて専門業者との調整も行っています。

設備のことを「それぞれの業者に任せる」のではなく、「ホテル全体として管理する」。

そのための仕組みづくりをお手伝いします。

ホテルの設備管理について、

「まず何から整理すればいいのか分からない」

という段階でも、お気軽にご相談ください。

関連記事

  1. ホテルの法定点検、業者任せで終わっていませんか?

最近の記事

  1. 相続でよくある誤解3選
  2. white outdoor lounge chairs
PAGE TOP